さかさまさか
最寄り駅につくと、着信の点滅にきずく。
掛け直した。
『亮太?』
『さくら』
『なんだ変わってないんだ』
『うん。』
『何?何?』
『あの、雑誌が出るの』
『はぁ~?』
『私の撮った』
『何が?』
『写真』
『あぁー。』
『お前はいつも主語がない。』
『大したことないね。』
『いや、凄いよ~。何の雑誌。』
『デリシャスのアジア食堂の記事。』
亮太まだ~。と女の人声がする。
『また、掛け直すわ。』
『はい』
とプツリと切れた。

これも現実か。
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