只今考え中
弥生と別れてすぐ、柴本先輩の後ろ姿を見つけた


「ん?あれ、音無じゃん。こっちなんだ」


「はい」


声をかけたものの、何を話せばいいのかわからずただ並んで歩いていた


「えぇっと、そう言えば島木先輩と付き合ってたんですよね?」


「まぁな。でも、合わなくて別れた」


その時、付き合うことに合うとか合わないとかあるのかな?なんて思った


「そんなもんなんですね」


「何?彼氏とかいなかったの?」


「はい・・・残念ながら」


すると柴本先輩は驚いていた


「告白されたこととかないの?」


「それはありますけど、好きじゃないですし・・・」


柴本先輩は確かにな、と呟いて続けた


「でもさ、付き合ううちに好きになるかもって考えなかったの?」


「ないですね。人を好きになるとか分からないですから」


すると少し遠慮気味に聞いてきた


「父親が・・・死んでるから?」


「んん・・・わかりません」


「でも俺もガキの頃母親出ていったし、人が好きになれないってわかるかも」


突然の告白に驚きつつ、サラッと受け流して家路についた


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