お前が愛しすぎて困る
いつも通りの花南だ。
俺はタバコを吸うフリをして、ニヤつく顔を隠した。
こいつのこの返しが好きだ。
花南といて退屈したことは一度もない。
時間がいくらあっても足りないと感じる。
ずっと一緒にいても、
きっとこいつとなら楽しいんだろうなって思う。
花南が助手席に座っても、
俺はしばらくそのままタバコを吸い続けた。
花南も、
そんな俺を気にすることなく、
ドリンクホルダーに置いたレモンティを当たり前のように飲んでいた。
「丁度これ飲みたかったんだよねー。」
「ぷっ。」
「...なに?」
「別に。行くか。」
「うん。」
車を出しながら、
ペットボトルをホルダーに戻さずに、
膝に置いたままの花南に目をやる。