お前が愛しすぎて困る
そいつの名前は日下隆太。
高校からの腐れ縁。
まさかここでも一緒になるとは思ってなかったが、どうやら俺たちはよっぽどの縁があるらしい。
「チッて、お前ヒデーよ。」
俺のどんな態度にも普通に接してくる。
「うるさい。…疲れてんだよ。」
「あー、お前2日缶詰だったらしいね。」
楽しそうな声で言う隆太をギロっと睨むと、研究室に鍵をかけた。
「珍しいな。お前がこんな時間に帰るなんて。」
「…約束がある。」
「誰と?あー江梨子さん?」
「違う。」
「えー、花南ちゃんかよー。」
「…うるさい。騒ぐな。」
花南を名前で呼ばれて少しイラついた。
それにしても、
江梨子と花南。
サラリと2人の名前を出した隆太。
こいつどれだけ俺のプライベート知ってんだ。
根がいい奴で話が上手い隆太に、なんだかんだと情報が漏れているらしい。