お前が愛しすぎて困る
「…はい。午後から顔を出します。
……はい、失礼します。」
俺の声で目が覚めたのか、
ベッドが少し揺れて、
隣で眠っていた江梨子が動いた。
スマホと吸っていた煙草を消す。
「…ごめんね。」
江梨子が小さく呟いた。
「お前は悪くないだろ。」
昨夜はほとんど眠れなかったらしい。
ラブホに着いてすぐ、
江梨子がすがりつく様に求めてきた。
『寂しくて一人ではいられない。』
言葉にしなくても
感じる江梨子の悲鳴。
それが分かってここに来た。
何も言わず、
江梨子が何も考えなくてもいいように、
昨日のことを忘れてしまうように、
少し乱暴に
江梨子の意識が飛ぶまで抱いた。