お前が愛しすぎて困る
「会うけど。」
『寝ぼけて事故らないでよ。』
少し怒ったような江梨子の声。
「妬いてんの?」
『妬かないわよ。
2日振りに彼女じゃなくて “女友達 ” に会いに行く彼氏なんかには妬きません。』
「…悪い。次はそっち行くから。」
『稜、二股男みたいよ。』
「うるせー。またな。」
そう言うと俺たちの通話はあっさりと終わった。
江梨子とは、
始まりはいつだったかはっきりしないけど、半年くらい前から付き合っている。
本当の付き合いはそれより前。
まだ学生だった時、知り合いの紹介で飲みに行って、
その日の内にそういう関係になった。
それからしばらくは、
たまに会って、
飲みに行ってヤる。
そんな関係だった。