金色の若葉
金色の若葉
春、若くて柔らかい若葉はゆっくりと顔を出す。これはそんな若葉の中の一枚、金色のリービィー君のお話。
ある暖かい春の日、リービィー君は小さな町の街路樹の一本からひょっこりと芽を出しました。明るい太陽の光を浴びて、リービィー君
はおおあくび。
「ふわぁ・・・。やっと目がさめたよ。外の世界はこんなにも暖かいんだなあ。これから何が起こるんだろう。毎日が楽しみだよ。」
リービィー君は金色の小さな若葉。風にゆらゆら、光にきらきら。
お昼頃、リービィー君を小鳥が訪ねてきました。
「やあ、君は今日芽を出したばかりの若葉だね。外に出るのはどんな気持ちだい?」
小鳥が尋ねると若葉のリービィー君は答えました。
「とっても気持ちがいいよ。明るくてぽかぽかしているもの。」
「そうか。でも、僕はそうやって楽しそうにしているやつがすっごく気に入らないんだ。だから今から君をここから落としてやろう。」
そう言って、いじわるな小鳥は若葉のリービィー君を枝から切り取り、そのまま地面に落としてしまいました。
リービィー君は言いました。
「ひどいよ、小鳥さん。これじゃあ、僕は夏を迎える前に枯れてしまうじゃないか。」
小鳥は何も言わずに飛んでいきました。
かわいそうなリービィー君は地面でじっとしていました。
「せっかくこれからの一年間を楽しみにしてたのに・・・。これから僕はどうしたらいいんだろう。」
リービィー君が考えていると、街路樹のそばに一人の女の子がやってきました。そして、地面に落ちたリービィー君をそっと拾い上げました。
「わあ、金色のきれいな葉っぱ。ねえ、ママ、この葉っぱをしおりにしたらすごくきれいになりそうね。」
女の子の後ろに立っていたお母さんは答えました。
「ええ、そうね。」
「入院してるアヤちゃんに送ってあげたらきっと喜ぶね。」
「そうね。じゃあ、さっそくお家に帰って作ろっか。」
リービィー君の旅はまだまだ始まったばかり。
おわり