クールな先輩の心を奪う方法
「保田さん、私は大丈夫ですから、先にお帰りください」

精一杯の嘘をつき、微笑んで見せる。
すると、更に溜息をついた保田さんは。

「ほんっとお前って、不器用な奴だよな?仕事もプライベートも」

「なんでですか?」

「こんな時に甘えないで、いつ甘えるんだよ」

そう言うなり、私をヒョイッとだ‼︎
抱き上げた…嘘でしょ…恥ずかし過ぎて、死ぬ。

保田さんはなんでもない顔をしているが、される私はほんっと〜に、恥ずかしい。
だから、保田さんにしがみつく形になってしまった。

…大通りに出て間も無く、タクシーを拾った保田さん。

タクシーに私を乗せると…

「気をつけてかえれよ、トロ子ちゃん」
「…⁈」

デコピンをお見舞いし、タクシーを出した。…刺激的な夜になった。
…嬉しくない。
…この恋、前途多難みたい。
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