クールな先輩の心を奪う方法
「そうそう、ところで今日、お局様、超不機嫌だったね」

梓の言葉に頷いて見せる。

「私見ちゃったんだよね」
「何を?」

そう言って首を傾げる。

「保田さんよ。かっこよかったなぁ。
新人イビリもいい加減にしてください。
佐々木は、佐々木なりに一生懸命仕事覚えようと必死なんです。仕事を手伝うならわかりますが、雑用を押し付けのは論外です!って、ビシッと言うもんだから、お局様、顔真っ赤にして怒っちゃって…

保田さんて、美雨は本当、特別扱いだよね。羨ましい」

…梓の言葉にピンとこなかった。

だって、毎回怒られてばっかで、褒められることなんて皆無だし。

周りの女子社員には、笑顔で対応するのに、私には一切笑顔なし。

…これのどこが、特別扱い?

「意味不明って顔してる。
全く、鈍感娘なんだから〜」

「意味不明なんだから、しょうがないじゃない」

「保田さんは、絶対!美雨に気がある。
あれだけ美雨に手をかけてるんだから」
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