クールな先輩の心を奪う方法
「…何だ、その声は?」
そう言って、眉をピクリと動かしたのは。

「…なんでしょうか、保田さん?」
作り笑いを浮かべ、聞く。

「お前、俺の事嫌いだろ?」
「な⁈好きだって言ったじゃないですか!…あ」

ここがオフィスだと言うことを忘れ声を荒げた。…もう、イヤ。

そんな私を見て、クスッと笑った、保田さん。…全く、誰のせいだと思って。

私は肩をすくめ、うな垂れた。

「そう落ち込むな」
「誰のせいだと思って⁈」

「今日は早く仕事終わりそうか?」
「はい…とは、言わないでおきます」

「ったく。またか」
「仕事を粗末にできません」

「トロいだけだろ?」
「…」

反論できません。

「…8時迄に終わらせろ」
「…は?」
なぜに?と思っている間に、さっさと行ってしまった。

…なんなの、もう。
私は溜息をついた。
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