クールな先輩の心を奪う方法
誰もいなくなったオフィス。
帰り際の、ちょっと何か言いたげな梓の顔が気になって、仕事が手に付かない。

…ペシ!

…アップにしていて、叩きやすかったんでしょうね、保田さん。

私は、叩かれたおデコを押さえ、保田さんを睨む。

「余所事考えてないで、さっさと仕事終わらせろ」

「もう、一体なんなんですか?
私が何をしたって言うんですか?
マイペースに仕事して、何が悪いんですか?」

一気に、不満をぶちまける。
だってそうでしょう?

意味も分からず、8時迄に仕事終わらせろとか言われても。

私は、仕事が終わったら、さっさと家に帰りたい!

…そりゃあ、デートの誘いなら、喜んで受けるけど、こんなに急かすのだから、他に理由がありそうで。

しかも、あまりいい理由じゃない気がしてならない。
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