クールな先輩の心を奪う方法
…それなのに、ここまで不満をぶちまけても、理由を話さない保田さんに、そろそろ我慢の限界がきている。

「連れて行きたい所があるから、早く終わらせろ」

そう言って、私の横のデスクの上に、ドカッと、座るなり、自分の仕事書類に目を通し始めた。

やっと、手を動かし始めた私は、保田さんに問いかける。

「何処に連れて行ってくれるんですか?」

その問いに、保田さんが若干うろたえた。…な、なに?

「…聞かない方が、楽しみになるだろ?
だから、言わない」

それだけ言うと、また、書類に目を通し始めた。

…チッ、はぐらかされた。

私は溜息をつき、また仕事を再開。
…なんとか、8時迄に仕事を終わらせることが出来た。

「保田さん、終わりました」
「…よし、行くぞ」
…、私のカバンを人質に、先に保田さんがオフィスを出て、私はそれをおいかけた。
< 24 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop