クールな先輩の心を奪う方法
「…ここですか?保田さんが連れて来たかったところって?」

「…そ。…俺の実家」
「へぇー…って‼︎こんな所に私を連れて来て、何をしようって言うんですか⁈」

顔が引きつる。
それとは対象的な、保田さんの笑顔。

「佐々木は、俺の婚約者、OK?」
「は?え?何が?意味がさっぱり」

ガチャ。
無情にも、大きな一軒家の玄関が開かれた。

「廊下を歩いていたら、声がして…って‼︎貴女が、佐々木美雨さん?」

目をキラキラ輝かせる、若くて綺麗な女性。
私は引きつる笑顔で、頷いた。

「きゃ〜‼︎ちっちゃて、かわいい‼︎
こんなお嫁さんなら、ママ大歓迎!」

と、思いっきり抱きつかれた。
当然、私は硬直する。

「母さん、美雨が驚いてる」
そう言って、私を自分の方に引き寄せた保田さん。

「…ママ?…母さん?…って、
え…え〜⁈保田さんのお母さん⁈」
私の言葉に、笑顔で頷くお母さん。

困った顔で笑う保田さん。
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