クールな先輩の心を奪う方法
…とある平日、佐々木は今日も残業。

まぁ、俺自身も毎日残業しているのだから、人の事は言えた立場ではないのだが。

「…毎日、お疲れ様です」
仕事中の俺のデスクの上に、缶コーヒーをそっと置いた。

「…ありがとう。佐々木は今日はもう、仕事終わったのか?」

缶コーヒーを開けながら問いかけた。

「はい、今日は仕事がスムーズに進んだので」
そう言った佐々木は、一礼すると、自分のデスクに帰り、帰り支度を始めた。

…そんな佐々木の元に行くと、終わった仕事を確認する。

あれだけ毎日怒られている成果なのか、とても良く出来た書類ばかりで、少し見直した。

「…佐々木」
「…なんでしょうか?」

佐々木は少し、不安げな顔で、俺を見つめる。…きっと、また、怒られると思っているんだろう。

「…毎回、こんなにいい書類を作成しろ」

「…へ?」
俺の言葉に、首を傾げる佐々木。

「よく出来てるって言ったんだ。
この調子で頑張れ」

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