クールな先輩の心を奪う方法
「お前に俺は落とせない」
「や、やってみないとわからないじゃないですか⁈」

マズイことを聞かれた私は、もうこうなったら意地だと言わんばかりに反論する。

「大体、本当に俺の事好きなのか?」
「す、好きですよ」
真っ赤な顔で一大告白したって言うのに、大地は疑わしい目で私を見下ろす。

「…どうだか。そんだけ怯えてんのに、俺のどこが好きなんだ?」

言い終えると、大地は猫を下に下ろした。すると猫はまた、どこかに走り去ってしまった。

「…行くぞ」
「…どこに?」

相変わらず怯えた眼差しで、大地を見る。そんな私を見ても、大地は顔色一つ変えず、さっさと歩いていく。

「…保田さん、どこに行くんですか?」
慌てて追いかけながら、問いかけると

「…いいとこ」
と、ニヤッと笑った。

…イケメンのその顔の威力はハンパないと痛感した瞬間だった。

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