クールな先輩の心を奪う方法

★★★

次の週、ようやく美雨が仕事に復帰した。
「おはよう、佐々木。
もう、体調はいいのか？」
オレの言葉に笑顔で頷く。

その笑顔にホッとして、こちらも自然に笑顔になる。

「…そうか、良かった。でも、もう無理するなよ？佐々木はすぐに無理するから」

「…はい、今回の事でよく分かりました。これからは少し仕事を減らして程々にします」

美雨の言葉を聞き、溜息をついた。

「…あの」
「ん？」

「今日、仕事が終わってから、時間ありますか？」

「…」
少し思い詰めたような美雨の顔。
…何が言いたいのか、すぐに分かった。

「忙しい、ですよね」
「…いや、大丈夫。今日は込み入った仕事も無いし、定時に終わる予定だから」

その言葉に、美雨はふぅーと、溜息をついた。

「良かった…それじゃあ、後で」
そう言って、美雨は微笑んだ。