悪魔なゾンビ少女
*****

何かが起こっているのは教室にいる誰もが雰囲気から察していた。
たが誰も何が起こっているのか、尋ねることも口を開く事さえ出来なかった。
「ねぇ…」
とてもか細い声だった。
それでも静寂に包まれている教室内のに居る人の耳に届くには充分だった。
声を発したのは○○○○。
声を発するのと同時に○○○○は四人へ向かい歩き出した。
足音無くふらつきながら、でも身軽さを感じられる程に素早く。
○○○○が迫ってきていても四人は一歩も動けずにいた。
そして椅子から落ちた少年の前で○○○○は立ち止まりしゃがみ込んで言った。
「ねぇ、なんであんな事…したの?」
蒼白く虚ろげな表情で尋ね、そして―
「ひっ…」
冷えきった左手で椅子から落ちた少年の頬を触り少年はまた、小さな悲鳴を上げた。
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