悪魔なゾンビ少女
下校する生徒のも最初はそれなりにいたが、別の道、また別の道へと方向が別れていき殆ど歩く人影が見えなくなった。
たが美香はずっと後から付いてくる気配を感じていた。
距離感が変わらず美香はやはり今日決行されたのだとわかった。
気付いた事を感ずかれないよう美香は平静を装い、ペースを変えず歩き続けた。
緊張で時間の感覚を失っていた美香が気が付いた時には歩道橋間近へと迫っていた。
その時美香は付いてきていた気配の距離が縮まっていくのを感じた。
美香は小さな手鏡で後ろを確認すると、手にしていたナイフが光った様に見えた。
息を呑みたいのをこらえ、美香は平静を装い続けた。
歩道橋へ一歩足を踏み出した時、美香は真後ろで荒い息がするのを感じた。
鏡で確認するよりも前に、美香は本能で振り返った。
｢ぅっ…｣
実際に刺さっている訳ではなかったがその衝撃の痛さで美香は顔を歪めた。
赤い液体が滲み出しているのを確認し、美香は身体の力を抜いた。
その後は演技上倒れているしかなかった美香にはどうなっているのかわからなかった。
美香はただ力を入れず倒れていると、足音が近くから遠ざかっていく音が聞こえた。
たが美香は万が一を考え、その場から動かず雨に打たれながら倒れていた。
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