sweet melody
『ん。待ってる。』
「じゃあ、スーパーに寄ってから家に行くね。」
そう言い、電話を切る。
私は急ぎ足で拓斗の家近くのスーパーに寄った。早く会いたくて仕方ない!
ピンポーン
インターフォンを鳴らす。オートロック式で合鍵もあるんだけど、なんだか使うのは気が引ける。
『…はい。』
「あっ、優花だよ!」
ガチャ
拓斗が開けてくれる。この瞬間は毎回ホッとする。
だってさ、開けてくれなかったらどうしようとか色々考えちゃうし?
エントランスに入り、エレベーターに乗って拓斗の部屋を目指す。
部屋についてからも、インターフォンを鳴らして拓斗に開けてもらう。
「拓斗〜!久しぶり!」
『ん。連絡しなくてごめん。』
将馬先輩が言ってた通り、拓斗の目には疲労の色が見える。
「ううん。仕事忙しいんだから、気にしないで?って、結構散らかしたね。」
って部屋を見ながら言ったら、
『…うるさい。』
きつい言葉なのに、顔は赤いから冷たく感じない。
相変わらず可愛い!照れてるし!
「あはっ。ごめんね?片付けしよ?」
そう言って、部屋に散乱してる洋服を拾って洗濯機へ放り込む。
何度も泊まってる拓斗の家だから、どこに何があるのかはよくわかってる。
拓斗はというと、少したまったコップや空き缶を片付けていた。