sweet melody
「テレビ消そうか?」
『いや、少しだけこうしてたい。』
甘えん坊拓斗のいつものセリフ。それすらもなんだか元気がない。これは相当疲れてるな。
だから、いつもは言わないことを言ってみたんだ。
「何かあった?」
いつもそんなこと聞かないから、拓斗がちょっとだけびくっとさせた。
『ううん、ちょっと疲れてるだけ。』
「そっか…。」
う〜ん。いつもの調子だと、このまま終わってしまうけど、なんだか心配。
どんなに疲れてても、今まではあんなに部屋に物が散乱したりはしなかったもんな〜。
よし、厚かましいかもしれないけど、ちゃんと話そう!それに、今日将馬先輩と会って、私の中である決意が生まれたんだ。
「あ、あのさ、拓斗、ちょっと話があるんだけど…。」
私の言葉を聞いて、拓斗は私の方から頭を離す。
『…何?』
ちょっと拓斗の目が不安そう。