sweet melody


「テレビ消そうか?」


『いや、少しだけこうしてたい。』



甘えん坊拓斗のいつものセリフ。それすらもなんだか元気がない。これは相当疲れてるな。
だから、いつもは言わないことを言ってみたんだ。



「何かあった?」



いつもそんなこと聞かないから、拓斗がちょっとだけびくっとさせた。



『ううん、ちょっと疲れてるだけ。』



「そっか…。」



う〜ん。いつもの調子だと、このまま終わってしまうけど、なんだか心配。
どんなに疲れてても、今まではあんなに部屋に物が散乱したりはしなかったもんな〜。
よし、厚かましいかもしれないけど、ちゃんと話そう!それに、今日将馬先輩と会って、私の中である決意が生まれたんだ。



「あ、あのさ、拓斗、ちょっと話があるんだけど…。」



私の言葉を聞いて、拓斗は私の方から頭を離す。


『…何?』


ちょっと拓斗の目が不安そう。



< 18 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop