光り輝く命~救ってくれたのは君だった~

〇自殺未遂〇

さとみの家から自宅までの足取りは重く、

昼間なのにすれ違う男の人たちに

ビクビクした。

怖い……怖い……。

冷や汗がとめどなく流れる。

サァーッと背中のあたりが冷たくなる。

男の人すべてが敵に見えてしまうくらい

恐ろしかった。

家に着くまでに何度も立ち止まり

嗚咽を漏らした。

ようやく家に着いても、「おかえり」と

温かく迎えてくれる人なんて、

だれもいない。

あたしは部屋に入り、

ベッドに横になった。瞳からとめどなく

涙が溢れてくる。

寂しい涙?悲しい涙?

なんの涙かはわからない。

ただただ、瞳からこぼれるしずくが

枕を濡らしていった。

ーガチャー

玄関を開ける音が聞こえる。

父は今仕事。

昼間帰って来るわけがない。

一体だれ?

コツコツ。足音はドンドン近づいて来る。

怖い。

あたしは布団に潜り込んだ。
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