光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
「バカなヤツだけど大事な妹なんです。

これからも友達でいてやってください!」

「お兄さん。あたし夏菜ちゃんが

大好きです。ずっとずっと

友達でいますよ」

そう言って百合は可愛らしく笑った。

兄もほっとした表情を見せた。

少し談笑したあと二人は帰って行った。

「もう死のうなんて思わないから」


だれもいない病室で一人つぶやいてみた。

兄は先に受付のほうで、

支払いなどの手続きをしてくれた。

手続きが終わり、あたしたちは

家に帰ることになった

帰り道、久しぶりに兄と手をつないだ。

きっと小学校以来。

温かくて大きくて優しい手。

「なぁ、夏菜。俺が昔言ったこと

覚えてるか?」

「えっ?」

「夏菜は俺の大事な妹だ。

夏菜をいじめるヤツは、許さないって」

「覚えてるよ。一樹なんて、

あたしが学校でけんかしたら

中学校から乗り込んできてさ」

そう言って、あたしは笑った。

「今もその気持ち変わってねぇよ。

里奈も夏菜も俺の大事な妹だ。

だから夏菜、つらいことあったら

俺に言えよ?なんかされたら

俺に言うんだぞ?」
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