光り輝く命~救ってくれたのは君だった~

〇八重歯の同級生〇

次の日あたしは学校へ行く準備をしていた

父は何度も心配そうに、

「大丈夫か?

無理して行かなくてもいいんだぞ」

そう言ってくれた。

「大丈夫」

あたしは精いっぱいの笑顔を見せた。

「じゃ行ってきま~す」

「夏菜、待て!」

いきなり父に呼び止められた。

「んっ?」

父の手には弁当箱が握られていた。

「不格好で悪いけど」

そう言って父は弁当箱を差し出した。

「お父さん、ありがとう」

あたしは泣きそうになるのをこらえ、

笑顔で父に手を振った。

お父さん、ありがとう……。



外に出ると風が心地よかった。

でもやっぱり外は怖くて、

通勤途中のサラリーマンや男子学生を

見るたび脅えていた。
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