光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
体は覚えているんだ。

男が怖い。怖い。怖い。

あたしが怖がってうずくまってると、

後ろから声がした。

「神崎?」

ビクッとして振り向き上を見る。

さとみの幼なじみの、クラスメートだった

その人は笑顔がとても眩しくて、

笑うと出る八重歯がきれいな人だった。

「えっと……」

あたしが名前を思い出せず困っていると、

彼は呆れたように言った。

「俺、矢野隼人。ひでぇな。

同じクラスなのに覚えてねぇの?」

明らかにひいているような表情。

「ごめん」

あたしは素直に謝った。

「別にいいけど。ずっと休んでたみたい

だけど体調でも悪いの? 」

あたしの頭に今までの出来事が

走馬灯のように駆け巡る。

怖い、怖い……。

でもなぜか、この矢野くんは

怖くなかった。

なぜだろう。

「大丈夫」

「そっか」

そして二人は無言のまま学校に到着した。
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