光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
「隼人でいいし」

そう言って彼は、あたしの隣に座った。

「単位ヤバイいんじゃねぇの?」

「隼人に言われたくないね 」

「うるせぇよ。俺は全教科満点だ」

「ぶっ」

あたしは思わず吹き出してしまった。

「やっと笑った」

隼人はそう言うと、八重歯を見せて笑った

太陽みたいな笑顔。

「神崎って、なにか醒めた目してる。

人生笑ってないとつまんねぇよ」

「じゃ、隼人は人生楽しいの?」

「どうだかな」

彼は空を見上げたあと、小さくつぶやいた

あたしはその横顔を眺めた。

「なんだよ。そんなに見るなよ」

隼人はそう言うと、

人差し指で鼻の先を掻きながら笑った。

「別に見てないし」

あたしがそう言うと、不満そうに口を

尖らせアスファルトに寝転んだ。

そして空に向かって両手の人差し指と

親指でカメラのフレームを作り、

片目をつぶりながら言った。

「俺、カメラマンになりたいんだ」
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