光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
隼人の顔は、さっきの無邪気な顔とは違い

真剣そのものだった。

「カメラマンか。かっこいいね。

どんな写真撮るの?」

あたしがそう問いかけると、

「今度見せてやる」

そう言って、また八重歯を見せて笑った。

二人だけの時間は、

あっという間に過ぎていく……。

そして放課後はさとみたちとのカラオケ。

「あたし、あゆ歌う~」

さとみが歌うのあゆは、

すごくうまくて聴きほれてしまう。

「ほら主役、歌いなよ」

あたしは中島美嘉と宇多田ヒカルの

曲を歌った。

久しぶりのカラオケ。みんなの笑顔。

楽しい時間だった。

「じゃあねっ」

みんな一人一人帰って行く。

あたしも一人家路を急いだ。

でも外は暗く、やっぱり一人じゃ怖かった

河原を歩いていると、

「夏菜!」

と後ろから声が聞こえた。

「隼人」

「俺、部活帰り。

こんな時間に一人じゃ危ないから乗れよ」

「平気だよ!」

「いいから!」
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