光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
でも部屋の隅々まで見渡しても、

どこにも里奈の姿はない。

あたしは里奈の使っていた机に

手を伸ばした。

あたしは見たくなかったよ……。

姉としてあなたを守れなかった。

里奈……ごめんね。

机を開けると一冊のノートと

あたしへの手紙。瞼の裏には

里奈の笑顔が焼きついて離れない。

あたしは震える手で

自分宛ての手紙の封を切った。




大好きな夏菜お姉ちゃんへ

ごめんなさい。里奈は弱い子でした。
一緒に暮らせるって聞いて夢のようだった
すごく楽しみにしてたよ。でも里奈は
もうそんな資格ないの……。
汚れてしまったの……。そんな体で
お姉ちゃんやお兄ちゃん、お父さんに
会えません。ワガママでごめんなさい。
お姉ちゃん、怒ってるよね?
泣いてるよね?ごめんね。
でも里奈がいたこと忘れないでね。
里奈はお姉ちゃんが大好きだよ。
幸せになってね。
ずっとずっと見守ってるからね。

神崎 里奈



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