光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
涙が止まらない。なんで?どうして?

あたしは一冊のノートーを手に取った。

鳥肌が立った。

そのノートは里奈の日記だった。

日記には信じがたい事実が綴られていた。

母の恋人にレイプされたこと、

そして無理やり売春させられていたこと、

妊娠、中絶したこと……。

里奈は中絶したことで

自分を責め続けていた。

人殺し。自分はいちゃいけない人間だと。

自分を責め続けた結果、

選んだのが「死」だった。

小さな小さな体で……独りぼっちで……

たくさん涙を流し、たくさん傷つき……

誰にも言えずに自分を責め、

過去を消せないと思った 里奈が

選んだのが死だった。

許せなかった。

里奈を傷つけ、死に追いやった母の恋人。

そして母。

同時に、なにもできなかった自分。

気づいてあげられなかった自分に

腹が立って仕方なかった。情けない。

なんとも言えない感情が、

あたしの頭を支配していた。

あたしは祐介くんを呼び出し、

里奈の手紙を手渡した。

祐介くんはゆっくりと読んだあと、

拳を握った。

「なんだよ……新しい彼女つくれって、

ふざけんなよ……」

あたしはなにも言えない。

彼の気持ちは痛いほどわかるから。
< 63 / 96 >

この作品をシェア

pagetop