光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
「はい」

隼人は太陽のような笑顔で、

やっぱり八重歯を見せて笑う。

「夏菜、本当に大丈夫か?」

父は何度もあたしに訊く。

それもそのはず。

あたしはこれから里奈に線香を

あげに行くのと、あたしを捨てた母に

話に行くのだから。

母の住む家までの道のり、

隼人は大丈夫だからと言って

ずっと手を握っていてくれた。

「ねぇ、生きる価値のない人はいる?

どんな人が生きる価値がなくて、

どんな人が生きる価値があるの?」

あたしは隼人に訊いた。

隼人は握った手に力を入れた。

「生きる価値内やつなんかいねぇよ。

どんな人にも生きる権利はあるんだ。

絶対にな。人を傷つけていい権利なんて

誰にもないんだ。生きる権利なんて、

誰にも奪えない」

あたしはいつの間にか泣いていた。

「あたし、生まれてきてよかったのかな」

「夏菜には幸せになる権利がある。

夏菜……生きててくれてありがとうな」

隼人が照れくさそうに微笑んだ。

おかげであたし、少し冷静になれたよ。

あなたが隣にいてくれて本当によかった。
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