光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
家の前に着いた。鍵は開いている。

チャイムを鳴らしても出て来ないので、

勝手に部屋に入り仏壇の前で手を合わせた

里奈。この人があたしの大好きな人。

里奈はどう思う?

答えは返ってくるはずもないのに、

心の中で何度もつぶやいていた。

ーガチャー

玄関を開ける音がした。

母だった。

「あんた、なにしに来たの?」

アイツは冷たく言い放った。

「ごめん、隼人。外で待ってて」

「わかった」

そしてアイツと二人きり。

「で?なんの用?」

アイツはあいかわらず冷たい声で言った。

「見ればわかるでしょ?

線香あげに来たのよ」

「ふぅん。だったら、

もう帰ってくれない?あたし、

あんたの顔なんて見たくないの」

アイツはそう言った。

でも負けたくない。

「それは、あたしもあんたも

お互い様でしょ?あんた、里奈が死んで

なにも思わないわけ?」
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