光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
「ずいぶん偉くなったのね、夏菜は」

そう言ってアイツは鼻で笑った。

「あんたが里奈を死に追いやったことは

知ってんだから!里奈に

売春させてたことも!」

「それがとうしたの?

確かに里奈が死んで悲しいわ。

お金稼いでくれる人がいないんだもの」

アイツはそう言って笑った。

「最低だね。あんたみたいなのは

人間のクズだよ。あたしの汚点は、

あんたから生まれたこと。

あんたみたいな人間は

一生幸せになんかなれない!」

あたしは泣かずにそう言った。

「生意気言ってんじゃないわよ!」

「気に入らないと逆ギレ?笑えるよ」

あたしはそう言い残して里奈の部屋に行き

遺品を鞄に詰めた。

そしてなにも言わず、この家を後にした。

「大丈夫だったか?」

隼人はすごく心配してくれた。

「平気。逆にすっきりしちゃった」

あたしはそう言って笑った。




里奈の分まで幸せをつかむからね。

見守っててね、里奈。

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