光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
この日、一つの命が失われた。

悲しい……苦しい日だった。

泣きじゃくる百合とあたしの頭を、

さとみは赤子をあやすように撫でてくれた

「大丈夫だから泣かないで?」

そしてさとみのお母さんに促されて、

あたしと百合は病院を後にした。

二人とも帰り道は無言。

やりきれない思いでいっぱいだった。

あれからしばらく、さとみは学校を休んだ



そして一週間後、さとみは学校へ来た。

「おはよ」

少し無理して微笑む彼女の姿は

痛々しかった。

「おはよう」

百合は泣き虫。目に涙をためながら

返事をしている。

「さとみ、おはよう」

「ん。ねぇ一限ってなに?」

さとみがたずねる。

「確か化学」

「んじゃ、屋上まで付き合ってよ」

「了解」

そしてホームルームのあと、

長い階段を上り屋上にたどり着いた。
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