スノープリンセス
初雪
今日は、
クリスマスの日曜日。
家族揃って、ご飯を今年も食べた。
キラキラ光るイルミネーションを
リビングに飾り、
ママ特製のチキンを食べて、
ケーキを食べる。
何気ない、いつものクリスマス。
ママが台所から冷蔵庫に手を伸ばし、私達にケーキを食べるか聞いてくる。
「食べたい!食べたい!早く持ってきてよ〜」姉の栞枝(かえで)がはしゃいでいる。
その姿を見て、パパが微笑んでいる。
栞枝とパパの姿を見て、さらににやけてしまう。この何気ない家族が私は大好きだ。
栞枝は、私とは違って女の子らしい。
現在大学2年生だ。栞枝は、男の子にとても人気があって、いつも告白されては断りを繰り返している。
丸くて大きなくりくりした目に、色素の薄い栗色の髪の毛。厚めにの前髪に肩くらいまでのミディアムボブ。
丸で私とは正反対だ。
パパは美容師。
身長が高くてスラッとしていて、存在感のあるパパ。私はファザコンだから、パパがとってもかっこいいと思う。
私たちの家の下の階には、パパが経営するサロンがある。お客さんに笑顔で接客するパパを小さい頃から見るのが好きで、
高校3年になった今も学校帰りに見てしまう。
ママはパパとは対照的に、
身長が152センチだ。
パーマをかけていて胸くらいまでの長さでママも地毛が栗色だ。ママはパパのお店でアシスタントのような仕事をしている。
ママも昔は美容師として働いていて、職場が出会いの場だったらしい。
所謂、社内恋愛で寿退社というところだ。