春はキミ
「久しぶりね、薫
同じ学校だったんだね、知らなかったよ」

懐かしいことを思い出してた

「…あぁ」

相変わらず無口で笑っちゃう

黒い髪も変わらない

変わったのは

私を見つめる優しい瞳と

低い声

男らしくなっちゃって

こんなに変わるものなのね

「望は元気?」

「…あぁ」

あぁ、もう!

「薫はあぁしか言えなくなっちゃったの?」

昔はもっと話したのに

「…ごめん、嬉しくて」

彼の頬に当てた手に

生暖かい水が落ちた

「…もう、昔から泣き虫なんだから」

私まで泣いてしまう

あぁ、泣いたのはいつぶりだろうか
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