春はキミ
ガラガラ

「おねーちゃん!」

来ちゃったって照れくさそうに笑う3つ下の妹

秋乃(アキノ)

背は小さくて、腰まで伸びた黒い髪が自慢らしい

「学校はどう?楽しい?」

小学5年生になった秋乃は、勉強に励んでいる

秋乃の勉強を教えるのは、最近の日課

どうやら、算数が苦手みたい

私に似たのかな?

「おねーちゃん!今日桃持ってきたの!」

秋乃の手には立派な桃が3つ

「もう、そんな季節?」

確か桃は夏だったような…

「うん、もうそんな季節!
おねーちゃんが入院して4ヵ月経ちまーす」

指を4にして突き出した

「ごめん、ごめん」

そうか、4ヵ月も経つのか

今回は長かったかもしれない

秋乃には寂しい思いをさせてしまっているのか

あぁ、だから今日も来たのね

ごめん

ごめんね
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