春はキミ
学校からの帰り道

「今日、病院に行くの」

帰ったら急いで支度をしなきゃ

もう、お父さんも秋乃も私を待っているのかもしれない

「…調子悪いのか?」

また、薫は心配している

「違うよ、お母さんに会いに行くの」

そう、今日はお母さんに会いに行く

「あぁ、秋乃誕生日か…」

薫はボソッと呟いた

「お、覚えてたの?」

信じられなかった

こんな話をしたのは何年か前

薫は秋乃を妹のように可愛がってたけど

「俺、秋乃妹みたいに思ってたし」

そうゆうものなのかな

「…あと、お前の妹だし」

付け足された内容にキュンとくる

クールな顔をしてるくせに

私には激甘なんだから

「たくさん話してこいよ」

ぽんぽんと頭を撫でられる

この一言で朝のモヤモヤは、どこかに飛んでいった
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