春はキミ
「こんなとこまでありがとう」

結局、家の前まで送ってもらった

「おう、またあした……」

「かおるくん?」

薫の言葉を遮るように、透き通る綺麗な声が聞こえた

きっと、この声は

「…秋乃?」

横を向けば、学校帰りの秋乃が呆然と立っていた

「これ、秋乃なのか?」

薫も心底驚いているようだった

「うん、秋乃だよ
もう中3になったんだよ」

秋乃は嬉しそうに薫に近寄った

「大きくなって…
久しぶりだな」

ぽんぽんと秋乃の頭をなでる

「えへへ、かおるくんも変わらないね
ねぇ、付き合ってるの?」

秋乃の口から出た言葉に驚いた

こんなにストレートに聞くものなのか

「あぁ」

秋乃の目がキラキラと輝く

「わー!本当にー!?
お似合いだよー!!
かおるくん、お姉ちゃんよろしくね!
傷つけたら、秋乃許さないから!!」
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