【完】君と出逢って恋をした。
「逃げたらどうなるかわかってんの?」
「わ、かんない」
秋山くんは私の腕を離した。
「いいからさっさと買ってこい」
「…はーい」
空き教室を出る。
購買に行く……
と見せかけて教室へと向かう。
「ふふ、なんとか抜け出せた」
秋山くん怒るかな?
ま、しょうがないよね。
教室のドアを開ける。
クラスのみんなの視線は私に集まった。
「遅れてすみません」
先生は溜め息ついて「さっさと座れ」そう言って授業を再開した。
そそくさと自分の席へ腰掛ける。
“ブーブー…”
制服のポケットに入れてたスマホが震えた。
多分きっと相手は秋山くん。
先生が黒板に字を書いてる時に、そぉ…っとスマホを取り出す。
LINEの送り主は案の定秋山くんだった。