【完】君と出逢って恋をした。
名前。
「ねぇ、風斗」
私達はいつもの空き教室にいた。
「なんだよ」
本を読みながら適当に返事する風斗。
てか、風斗が読書だなんて
「珍しいこともあるもんだね」
「なに?」
「いや?」
真剣な表情で読んでる姿に胸がキュンってする。
なんだろこの気持ち。
「そろそろ私の名前呼んでくれてもいいかなぁーって…」
風斗は相変わらず私のこと、名前で呼んでくれない。
“パシリ”とか“おい”とか“お前”とか…
“音羽”って呼んでもらいたい。
「は?なんで俺がてめぇの名前呼ばなきゃならねーんだよ」