葉桜ターニングポイント
戸惑う私に反して、翠の声は芯を持っていた。
「別れたつもりはないけど、俺、マックで結構ヒドイ言い方したからさ」
私が大人になれずに喧嘩して、余裕のなかった私達にできた溝。
大好きだったから、いじけた私。
だけど見失いかけていた翠のキモチは、受験前に会ったあの日に見つけていた。
「いくら切羽詰まってたからって…
ごめんな」
向き合わなきゃいけない日がくることも、分かってた。
ぐらぐらぐらぐら迷う、弱い私の大きい不安。
頭を支える翠のあたたかい手に、込み上げてくるものがあった。
嬉しいよ?
嬉しいけど、でも…
そっと体を離す。
「…自信ない」