葉桜ターニングポイント
受験が終わるまでは、言わないでおこうと思ってたの。
「待ってて」って言ってくれた時に、吐き出してしまいたかった不安。
伝えてもいいのかな?
言いかけて尚悩む。
余計なことは言わずに、それぞれの道に進んだ方がいいのかもしれないって。
「…なんの?」
片手だけ逃がしてもらえなくて、繋がれたままの右手に力を感じた。
その力が、私に口を開かせる。
伝えずにサヨナラなんて、かっこつけたことは出来そうにない。
「…翠を、支えられる自信」
「はっ?」
「私だって、翠がどれだけ大学受験に力入れてるか分かってたのに。
それなのに、支えられなかったんだよ?」
向き直ると、翠の眉間にシワが寄っていた。