葉桜ターニングポイント





「…それ悪口だからね?」




強気な態度を演じても、色素の薄い瞳にやられてる。



目が離せない。






「手に負える奴、他にいなくね?」





「かっこよさげだけど、サラッと失礼だからね?

キュンッとすると思ったら大間違い」






キッと睨むと、コツンとおでこがぶつかった。




溶けちゃいそうな程、目が熱くなる。








…ほんと、狡いんだから。






「さすがさくら様」






僅かな差で、焦らすように落ちてきたキス。



拒めずに受け入れてしまった私に、翠から離れることなんて、無謀だったのかもしれない。








あの日、触れそうで触れられなかった唇が、


嬉しくて、愛しくて。






…だけど。





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