葉桜ターニングポイント
微かに残っていた理性で翠の肩を押す。
「…もし、」
唇が離れるか離れないか、そんな距離で、声を発した。
言うなら、今だと思った。
今、不安を伝えてどうにかしなきゃ、結局前に進めない気がしたから。
「…もし、また私が拗ねてケンカになって、上手くいかなくなったらどうする?」
弱さゆえの不安で、
弱さゆえに伝えたくて、
弱さゆえに、
安心させて欲しいのかもしれない。
それだけじゃ駄目だけど、
そんな姿が、あってもいいよね?
感情の共有が、何より人を繋いでくれる。
「上手くやる必要なくね?」
大切なのは、想いだよ。
まるで、そう教えてくれているみたい。
当たり前なことだろと翠の顔が言うから、なんだか悔しくってふくれてみせる。
「翠まであげ足取らなくていいから〜!ちゃんと答えて〜!」