葉桜ターニングポイント
「大事だってことは分かってるけど、マックきてから2時間。もうずっとこんな感じじゃん。
…完全放置は悲しいよ」
多分きっと、翠の中に私がいないって気付いてしまったから。
私がごねたから、仕方なく話はしてくれてるけど、言葉の奥に私がいない。
片手間に話されてる感覚。
翠の頭は今この瞬間も、受験のことでいっぱいなんだって伝わってくる…。
「私だって、邪魔したい訳じゃない。
だけど、せっかく一緒にいるんだもん。
少しくらい会話したいよ」
強気で切り出した本音。
言い終わってみると、弱々しい音に変わってしまっていた。
目線も下を向いていて、その先には握った
自分の拳が見えた。
「……ごめん」
僅かな間。
何を意味しているのか分からなくて、私は顔を上げられない。
つい、拳に力が入る。
視界は、抑えていたものが溢れ出るように、ボヤけて見えなくなっていく。
「やっぱり今は、会うべきじゃなかった」