葉桜ターニングポイント
「………」
なにそれ。
もう、分からないよ。
「邪魔したくないって思ってくれてるなら、暫くそっとしてほしい」
私が、オトナになるべき?
「……っ」
翠の一言で、俯いていた顔が反射的に上がる。
‘そっとしておいてほしい’って、どういうこと?!
「…私のこと、好きじゃなくなった?
もう、会いたくもない?」
こんなドラマの台詞みたいなことを聞いてしまうのは、重いよね?
「それとこれとは…」
でも、止まらないよ。
「好きだったら、大変な時こそ側にいて、支えてほしいとか、癒されたいって思うものじゃないの?」
被せてまで吐き出してしまった感情。
滲んだ翠が困った顔をした。
自分の頬っぺたが、濡れてるのが分かる。
翠の手が伸びてきて、それを拭おうとしてくれてるのも分かった。
分かってて、避けるように首を振った。
「さくら…」
再び俯いてしまった顔を、上げる気力がもうない。