葉桜ターニングポイント
翠には「…そう、分かった」とだけ告げて、まともに目も合わせず席を立った。
あの日から、随分と時間が経った。
私達の関係が終わったのかすら、分からない。
…ううん。
普通はこういう場合、終わってるよね。
当たり前のように冬休みが明けて、新学期が始まって、当然のように翠の存在もそこにある。
だけど、既に1ヶ月が経った今でも、
未だに顔を見れていないままだ。
部屋のベッドに仰向けに寝そべれば、目につくコルクボード。
翠との写真が、1枚1枚丁寧に貼られている。
目を閉じたって鮮明に思い描けてしまうくらい、焼き付けられた思い出たち。
単純に、会いたいと思う。
触れたいと思う。
笑わせたいと思う。
時間が経って冷静になれた。
だけど同時に、自分の不甲斐なさにも気付いてしまった。