葉桜ターニングポイント
翠がトップレベルの大学を受けること、知ってた。
今までの頑張りも、隣で見てきたのに。
1番に理解して、大切にしたいと思っていたはずなのに。
…悲しかったんだ。
私の声がちっとも届かないことが。
「情けな…」
どうしてこんなに自分勝手なんだろうな。
分かっていながら、求めてしまう。
大切な人すら、大切にできない自分が悔しい。
音もなく頬をつたう涙は、髪の毛にからまって枕に吸い込まれていく。
「…あっ」
ふと、カレンダーが目に止まって勢いよく体を起こした。
「危ない!忘れてた…っ!」
最も大切な予定を。
慌てて着替えて近所の神社に向かった。