月を見上げて。
オニキス
ーー「オニキス。私はあなたがそこまで悪い人だとは思えない。」
「君は、馬鹿なのか?馬鹿だな。実際、お前は捕らえられているだろう。」
「でも、あなたは私を助けてくれた。」
「あれは、体が勝手に動いただけ。偶然だ。」
「だったら、なおさらあなたは本当は優しい人。勝手に動くのはあなたの本心からでしょう?」
「フン。勝手に言ってろ。私は君を殺す。必ずな。」
「私は、あなたを変えてみせる。」
「変える?…馬鹿な。私は変わらない。ずっと悪のままだ。」
「オニキス。あなたを悪のままには絶対させない!一生かかっても!」
「…フン。ならば、私の嫁になるか?」
「え…」
「私に一生ついてくるということは、そういう事だろう?
ーー無理だろうな。そのくらいの決意がないのに人を変えるなんて愚かだ。」