恋愛感染エクスタシー
ダイニングテーブルに頬杖をついて、その姿をじっくりと堪能している私に、拓海くんが不満顔を向けた。
「嫌よ、今いいところなんだから」
「何がだよ」
「拓海くんには分からなくていいの」
シッシっとばかりに手で払うと、拓海くんは「変なヤツ」と言いながら、フライパンにオリーブオイルを垂らした。
パッと広がるニンニクの香り。
フライパンを持つ腕の逞しさもまた、たまらないのだ。
不意に、抱きつきたい衝動に駆られて、欲望の赴くままに拓海くんの後ろから腕を回した。
「おいこらっ、危ないだろ」
「だってー」
拓海くんが悪いんだもん。
責任転嫁もいいところだけど。
料理上手だなんて、罪つくりだ。