恋愛感染エクスタシー
欲情クライマックス


「ただいま」


挨拶もそこそこに、部屋の奥へ急ぐ。

そこに見つけた私の“麻薬”に、真っ先に手を伸ばした。



手の平から全身に広がる高揚感……。


堪えきれなくなって、思わずギュッと抱き締めた。



「――くっ、苦しいよ! 香さん!」


腕の中で“麻薬”が悲鳴を上げる。


「ごめんごめん」


腕の力を弱めると、その隙にそれは逃げ出した。


クルリと回転し、私の目の前にちょこんとあぐらをかいて座り、「あー苦しかった」と首をさする。


ふとしたきっかけで、私のアパートに居候することになった大学生の涼くん。

< 19 / 31 >

この作品をシェア

pagetop